「あれっもうこんな時間!?」




「本当ですね……もう八時……」




映画が終わったのが六時頃だったから2時間弱話していたのかな?




気がつくと私達は日が暮れる所まで時間を忘れて話に花を咲かせていたみたいだった。




「ごめんね、時間大丈夫?」




私も気づかなかったから悪いのは私もなのだが、申し訳なさそうに謝るちひろさんに大丈夫ですと言うしかなか思いつかない。



「大丈夫ですっ私は悔いのない時間を過ごせましたからっ」 




「……俺はあるよ……」




少しでも申し訳ないという気持ちを軽くしてほしくて明るめの声で答えたが、返ってきた返事はさっきよりも暗い声。




それにさっきとは打って変わって表情を曇らせている。




どうしたんだろ……?




「悔いがあるから言ってくださいっ力になれる事ならなんでもっ!」




私は今日映画に連れて行ってくれたのも昨日話しかけてくれたのもすごく感謝している。




だから何か考えている事で私が助けられるななら助けたい。




「無理な事かもだけど……」




ちひろさんは重々しく口を開く。



少し放った言葉の次を待つ私に来たものは私の想像を遥かに超えるものだった。