会は二、三時間でお開きとされた。




今は夏の真ん中、一番暑い時間だからこの時間が妥当だろう。




最後も私は受付でこの場を去っていく人達に「ありがとうございました」とずっと口にする。




「八神様、本日はありがとうございました」




全てが終わり後片付けをしていた時神白さんが話しかけてくれた。




「いえっこちらこそ楽しかったです」




暑かったけど……あっそうだ!今のうちにあの事を聞いておかないとっ




「あの、明日一日お休みを頂けないでしょうか」




すぐに片付けに戻ろうとしていた神白さんの背中に少し大きめの声で話す。




するとくるりっと綺麗に百八十度回って私の方を向いた。



「了解いたしました、坊ちゃんにもそう伝えますね」




「ありがとうございますっ」




私は許可を貰えて少し舞い上がっていたのかもしれない。



あの人の事を忘れてしまうくらいに–––