「今日はありがとうございます、どうぞ最後までお楽しみください」




一人一人来てくれた人に同じ言葉をかける。




もう頭がおかしくなってしまいそうだ。




だが、収穫もあった。




来る人が異様に多い事。これは黒金がそれほどすごいという事を意味する。



そして中学生や高校生の出席も多いという事もわかった。




きっと将来の為のコネ作りだろう。




「あれっ杏ちゃん!ここで何してるの?」




えっ!?




なんとそこにはちひろさんと潤さん、そして瑠海さんの姿があった。




「杏!こんな所で会えるなんて思ってなかったよー」




「私もですっ」




今日の三人は綺麗なドレスやスーツに身を包みいつもよりも大人に見えた。




瑠海ちゃんは綺麗な赤色のドレス。




ちひろさんはクリーム色のスーツ。




潤さんは紺色のスーツを着ていた。




みんなすごく綺麗っ




元々すごく整った顔をしている三人がもっと輝いて見える。




「どうしてここに?」

 


「えっと、実はここで詩さんの護衛をしてまして……」




これって言ってよかったかな?と焦ったがずっと詩さんの後ろをついていたら遅かれ早かれ気づかれていただろうから多分良かったのだろう。




「あーだがらよく詩と一緒にいたのね」




「そうだったんだ……」




「護衛とかすごいな!」




あはは……ありがとうございます……




忘れていたが三人は桜西に通う生徒。そりゃこういう場にいてもおかしくはない。




「では、最後までお楽しみください」




私もここで仕事をしなければいけないので長くは話す事はできない。




三人もそれはわかっていたのか「じゃあね」と手を振りながら会場の中へと入って行った。




三人も来てるなんてちょっと嬉しいかも……




きっと会場に私がいても三人と会話をする事は難しいだろうが、この場に少しでも話せる人がいるというのはすごく心強い。





私も頑張ろっ!





そう思い、まだまだいるお客様のチェックをしていく。