……は……?




なるべく早く着くようにと来てみたら杏はいた。いたはいたが、他にも男がいる。




あれはちひろじゃねーか




ちひろとは杏と同級生の男。




よく遊びに行ったりするし父親同士も会社関係で仲が良い。



そんなやつがどうしてここに?




ふわりと一つの疑問が頭の中に浮かぶ。




だがそれよりも今は杏が楽しそうに笑っている事。それが許せなかった。




あの笑顔は俺だけに向けて欲しいし気持ち悪がられるかもしれないが正直他の男とは話してほしくない。




一生俺のそばにいて欲しい。




と俺は自分に嫌気が差すほど杏に独占欲をもっているようだと実感する。




ちひろもちひろだ、馴れ馴れしく喋りやがって……





そう思うとちひろにも沸々と怒りが込み上げてくる。




あいつもしかしたら杏の事が……と一緒に話しているところを見るだけで嫌になる。




すぐにでも引き剥がしたい衝動にかられ後ろから抱きついてしまった。