当然学校にも一緒に行く事になる。




特に気を使うとか柄でもない事はせずに俺は自分の教室に向かった。




だが、この判断が俺の失敗だったと後に思い知らされるのだった。




少ししてあいつが学校にも慣れてきた頃、俺は散歩にハマっていたのだ。




暗い夜道をただ歩くだけ。




だが、意外にも俺はそれを気に入っている。




過ごしやすくなった温かくも冷たくもない風が吹き流れる。



するとどこからか啜り泣く声が聞こえてきた。




ん?こんな時間に誰かいるのか?
 



そう思って声のした方に行くと案の定誰かが泣いているところを発見。




だが、俺はすぐにその人物がわかった。




"八神杏"俺の新しい護衛。




なんでこいつがここに?と思ったしどうして泣いているのかも気になった。だが、それよりも俺は心奪われるものがあった。




それはあいつ自身の姿。




泣いている時に空を見上げまるで月と対話しているかのようで。




俺はそれが綺麗だと思った。




それと同時に"好きだ"と頭の中で三文字が浮かび上がった。




恋なんて今まで興味がなかったし、むしろ嫌いだったと言っても過言ではない。




だけど好きと気づいてしまってはこの気持ちを抑える方が至難の業だろう。




前々から感じていた感情はこれだったのではないか?と自己解決をしあいつの所に行く。




少し話をして俺もベンチに腰掛けた。絶対に好きになったとバレないように。