あなたは守られる対象です！？

そんな時に＂あいつ＂が現れた。



神白から女が来るとは聞かされていた。だが、俺は一切関わるつもりはなかった。俺には護衛などというものは必要ないから。




部屋に勝手に入ってきた時は少し睨めばすぐにどこかに消えていった。




こんな弱虫が俺の護衛を？と少しイラついた。俺はこんなやつに守られないといけないのかと。




だが、少しだけ俺の気持ちを動かす出来事が起こった。




それはあの日の試験。




いつも黒金家の護衛をする時は不特定なタイミングで不審者が出たというコンセプトで護衛がどのように動けるのかを確かめる。




今日もいつものようにうるさい警報が鼓膜を刺激したと思ったらすぐにあの女が目に飛び込んできた。




俺の寝室には一つだけ窓がありそこからあの女の行動が見れたのだ。




俺があいつを見つけた時はちょうど戦っている時で暗くてよく見えなかったがシルエットは捉える事ができた。





「綺麗……」




顔が見えたわけじゃない。ただ、何かが俺の心を動かしたのだ。



いつも警報が鳴った後はうるさすぎて耳鳴りのように頭に響いて寝れないのだが、今日はそうではなくさっきの女が頭にチラついて寝れなかった。