私が何も言えずにいるとすぐに前を向き直り、両手をポケットに突っ込みながら詩さんは歩き出した。




どうすればと頭を悩ましたが、得策が思い付かず私も渋々歩き出す。




気がつけば辺りは薄暗くなってきておりどんよりとした空気が私達の間には広がっていた。




私が詩さんを怒らせるような事言ってしまっただろうか?



もしかしたら嫌われた……?




そう思うとなんだか心がズキリッと痛んだ。




なんで、こんな気持ちになるんだろう……




私は名前のわからない妙な胸の痛みを感じながらなんとか屋敷に戻った。