「ちょっと、どうしたんですか?」




二人と別れた後すぐに詩さんを追いかけなんとか追いついた。




さっきから何一つとして言葉を発さない詩さんはいつも通りと言えばそれまでなのだが、なんだが私には違うような気がしてならない。




私が後ろから声を張るとピタリと足を止め後ろを振り向いてくれた。




「あいつらといて楽しかったか?」




「えっ?」




楽しかったかって事だよね……?




「はい、楽しかったです」




そうやって聞かれるとは思っておらず驚きはしたが率直な感想を述べる。




「俺ならもっと楽しませれたのに……」




えっ今なんて言った?




少し距離も離れていたしボソリと呟いたので詩さんがなんと言ったかは聞き取れなかった。




「あのっ今なんて……?」




そう聞こうと思った。だけど言葉を飲み込んだ。




どうして、そんな苦しい顔をしているの……?




自分より頭二個分くらいでかい詩さんを見上げる。




詩さんは苦しそうに顔を歪め、表情を読み取る事ができなかった。