「はー美味しかった……」




あれからみんなとお喋りしながらゆっくりとパンケーキを堪能した。




「杏ちゃんすごく美味しそうに食べてたもんねっ」




「うんうん、あれはいい食べっぷりだったよ」




「……」




は、恥ずかしいっ




初めてのパンケーキで舞い上がってしまい後先考えずにパンケーキを口の中いっぱいに詰め込んでしまったのだ。




だからきっとみんなは私の事を物珍しく見ていたかもしれない……




そう思うと後から恥ずかしさが込み上げてくる。




「よし、じゃあ次はどこ行く?」




私はパンケーキが食べれて浮かれていたが、これからどこかに行く予定があるのかもしれない。




「ねぇ杏ちゃん達も一緒にどう?どこか一緒に行かない?」




えっ?私達も?



私達とはきっと詩さんも指しているだろう。




もし、ちひろさんと潤さんがいいのなら行ってみたいかもしれない……




正直私は出かけるという事すらちゃんとした事はなく今日が初めてだった。




「はいっよろしけれ……うわっ」




よろしければお願いします。と言おうとした途端詩さんに手を掴まれ後ろに引かれ、またもスリーパーホールドをされてしまった。




「今日は帰るから」




まるで誰かに見せつけるようにした後、歩き出した詩さん。




でも今回はすぐに拘束を解いてくれたため、苦しくはならなかったのが幸いだ。




「あっちょっ……」




もう後ろを振り返る事なく歩いて行く詩さんを一人にするわけにはいかない。




「すみませんっ今日は失礼しますっ」




私はちひろさんと潤さんに軽く会釈をしてから駆け足で詩さんの所に向かう。