あなたは守られる対象です!?

どうすれば……




そう思っていた時、外から声がした。




「坊ちゃん、そろそろ起きてください。朝食の準備が整いました」




きっと神白さんだろう。




いつも朝は詩さんを起こしに来ているのだろう。専属の執事さんだから。




「わかった」




詩さんが神白さんに気が向いている瞬間、少しだけ手首を掴んでいる力が緩んだ。





今だっ




少し緩んだ詩さんの腕を掴みグルッと回し拘束を解く。




「今日はありがとうございましたっ」




私はすぐにベッドから降り、一つだけついていた窓から外へと飛び出す。




後ろから「待てっ」という声が聞こえてきたが、無視をしてしまった。




本当にちゃんと寝られたのは詩さんのおかげ。





ありがとうございますっ詩さん……




心の中で何度もお礼を言いながら中庭を駆け抜ける。




私は詩さんから離れた時心に穴が空いたような感覚に陥ったような気がした。




きっとこれはもう少し寝たかったのかもしれない。もしかしたら、詩さんと一緒にいたかったのかも、しれない。




……それはないか。




私は後者の考えは頭から飛ばした。




きっとそんなはずはないと思いながら–––