あなたは守られる対象です!?

「おはよ……ってえっ!?」




次の日私が目を覚ますと目の前には詩さんの綺麗な顔。




昨日は私詩さんに背を向けて寝たはず……




も、もしかして私寝てる時に寝返りをうっていたのだろうか?




そうだとしたら今の現状にも頷ける。





幸い、今はまだ詩さんは寝ているようだから私の寝顔は見られていないと思う。




「よし、今のうちにここを出よう」




詩さんのおかげで久しぶりにぐっすり寝れたし、とてもすっきりしている。




だからありがとうとお礼を言った方がいいとは思いながらもここを早く出ようとも思っていた。




詩さんが起きる前にと思い急いで布団から出ようとしたその時、後ろから手を掴まれた。




「えっ?」




あまりの強さにバランスを崩しもう一度寝転びそうになるのをなんとか腹筋で耐える。




「何、もう戻るのか?」




びっくりして後ろを振り向くといつの間にか詩さんが目を覚ましていたのだ。




そして左手で私の手首を掴んでいる。




「おはよう、ございます……もう戻るというか、そろそろ御暇しようかなーと……」




本当は詩さんが起きる前に行こうと思っていたんだけど……




「このまま帰れると思ってんの?」




えっ?それはどういう……




なんだか楽しそうにというか企んでいるような顔をしながら私の手首を掴んでいる手を強めた。




もしかして、逃してくれないの……!?




それは困るっ




「すみません、私はそろそろ……」




私はそろそろ仕事もしないといけない時間にもなってくるだろう。




だからここを出たかったんだけど、中々離してはくれない。