あなたは守られる対象です！？

「ほっとけって言うわりにはお前、なんでそんな苦しそうな顔すんだよ」




苦しそうな、顔……？




そう言われ顔を触ってみるがもちろんわからない。





「たとえ、そうだとしても、詩さんには関係ない事ですから……っ」




喋るだけで涙が溢れてきそうでギュッと下唇を噛む。




「関係なくねーよ今のお前は護衛としてじゃなくて一人の人間として俺は接してるんだからよ」

　


一人の人間……？




私はただ護衛する為だけに来たのにあなたは一人の人間として私を見るの？




「おかしいですよ、私はただの護衛ですから……でも、もしいいのなら私の大きな独り言を聞いてください」




きっとこの気持ちを言葉にして吐き出したかったのかもしれない。




私は静かにベンチに座り直しポツリポツリと話し出す。




「私が父親のように慕っていた人が亡くなったんです」




「え？」




いつもは無表情で感情をあまり出さない詩さんの眉がピクリと動いた。




「私がソヒップに入ってすぐ、あっソヒップは私のいるチームの事なんですけどそこに入りたての時に一番に話しかけてくれた人があの人だったんです」　




あの人は死なないとどこかで思い込んでいたのかもしれない。