「杏、今回はある資産家の息子を護衛しろ」




ある日の夕方、私はおじいちゃんのいる書斎に呼び出された。




資産家の息子の護衛?今までした事ないかも……




いつもは掃除が多いから今回のは初めての事案かも。




掃除と言っても私は殺した事はないのだが。




「行ってくれるな?」




おじいちゃん、いやボスにそう言われて断れる人はここにはいないだろう。




「承知しました」




今回はいつもより楽かもしれない。




そう思うと無意識に頬が綻んだ。




今回は命の取引がないはずだから……