あなたは守られる対象です!?

「そうですよ」




私は半分八つ当たり気味に答えてしまった。




申し訳ないだとか、今はそんな所まで気が回らない。




たとえ私がここを外されて首と胴が離れても私はもういいと思っている。




もうこんなのはうんざりだ。




ソヒップに入る事を私は望んでいなかった。




おじいちゃんが勝手にあそこに入れのだ。




楽しかった事がなかったと言えば嘘になるが、それよりも辛い事の方が大きかった。




「なんでそんな嘘言うんだよ」




てっきり私は逆上してくるかと思っていたが意外と冷静な態度だった。




今までの人なら少し挑発したらすぐに殺気丸出しで掴みかかってきたのに。




この人は違うの……?

 



「詩さんに関係ありますか?」





違った所で私が変わる事は何一つない。




だから適当に受け流し早く解雇すれば良い。




きっとこの時の私はやけになっていたのだろう。




「ある、数日前お前が月見ながら泣いてるの見たからな」




えっ?




月を見ながら泣いているのを見た?




きっとそれは松風さんが死んだとおじいちゃんから聞かされた時だろう。



見られているなんて考えもしなかった……