あなたは守られる対象です!?

どうしてここに?




もう夜中なのに、そもそもここに人が来る事すら考えていなかった。




「おい、どうしてここにいるかって聞いてんだけど?」




私がぼーっとしていると無視したと思ったのか眉間にシワを寄せた詩さん。




「あっ、えっと……」




なんて言えばいいのかわからない。




仲間が死んだって言っても詩さんには関係のない事。




「なんでもありません。ただ散歩をしに来ただけです」




私はなんと言ったらいいのかわからず嘘をついてしまった。




「それ、嘘だろ」




「えっ」




どうしてわかったの……?別に顔に出ていたというわけではないだろう。ポーカーフェイスには自信があるくらいだ。




じゃあどうして……




「その驚きよう、やっぱり嘘だったんだな」




ハッと鼻で笑いながら詩さんもベンチに座った。




見破られた事にも驚きだが、今こうやって話している事にも充分驚いている。




ずっと私の事をが嫌いなんだろうなと思っていたから。