あなたは守られる対象です!?

ざっと十分くらいだろう。




気がつけばもう気配を感じなくなっていた。




もちろん、息の根を止めたわけじゃない。ほんの少し眠ってもらっただけ。




私は自分に向かってくる気配を返り討ちにしただけで、特別何かしたわけではない。




一つ気になったのは気配は感じたが殺気は全く感じなかった事。




まぁそんな事は関係ないか。




そんな事より今はすぐに屋敷にいる人達の安全を確認をしないと。




そう思いこの場を立ち去ろうとした時、突然パッと屋敷の明かりがついた。




電気がついた?




もしかしてまださっきの仲間がいて人質を取られた……?




そうなれば厄介だ。




とにかく今はいち早くみなさんのいそうな所に向かおうと思い走り出そうとすると、突然どこからか声がした。




「お疲れ様でした。試験は無事、合格でございます」




……ん?神白さんの声?




ここに来てから一番聞いた声。きっと聞き間違えたりはしないだろう。




後ろから声が聞こえたような気がして振り向くと案の定神白さんが礼儀正しく立っていた。




「あの、神白さん?合格ってなんですか……?」




突然出てきた事にも驚いているのだが、それよりも今の現状のが気になった。




「あれ?言いませんでしたか?試験がある。と」




……あっそういえば詩さんと食事をした後神白さんの所に行った時そんな事言ってたような。




じゃあもしかして今のが試験?




「今回のコンセプトは深夜に登場、急に来た不審者にどう対応するのか!?という試験でした」




「そうですか……」




だから殺気を感じなかったのか、試験だったから。