部屋に戻ると私のスマホが鳴っていた。
 



あれっ?もしかしてメールかな?




当たり前だが私には友達という人がいない。いるのは一緒に訓練をしていた人達くらい。




不思議に思いながら届いたメールを確認する。





「……っ」




送り主は任務の時に一番世話を焼いてくれていた松風さんからだった。




俺は今から重要な任務に向かう。だからもしかしたら生きて帰ってこれないかもしれない。それで最後に杏だけには報告しておこうと思ってな。わりーな今は新しい任務中だろうがどうしても伝えたくて。
今までありがとな。          松風




そう書かれたメールだった。





松風さんが、任務に……?しかも命を落とすかもしれないの?




嫌だっそんなのっ絶対に、いや……っ




今まで何度も仲間の死を見てきた。




命に優劣をつけるわけじゃないが、今まで特に私によくしてくれていた人がいなくなるかもと言われるのは嫌だ。




親みたいに私の事を世話してくれていた人。




時には厳しく指導してくれた。




どうか、生きて帰ってきてくださいっ




私はただ祈る事しかできない。




無事に帰ってくる事を–––