「やっぱり、似合ってる」



私にネックレスをつけ顔を戻した後私を見てフッと笑った。




その顔を見て私は冷め始めていた顔がまた一気に熱を持ち始めた。




それは、反則すぎる……っ

 


詩さんは無自覚なのかわからないが私は心臓がいつくあっても足りない気がした。




「というか、どうしてこのネックレスを持っているんですか?」




私は少しでも気を紛らわそうと思いそう切り出す。




「ん?あーそれは杏の方から連絡が入ってな、出ても杏の声は聞こえなかったから少し繋いでたら男の叫び声が聞こえてきてやばいと思って来てみたら杏が捕まってたんだ」




きっとネックレスが外れた時に通話ボタンが押されたのだろう。




「実はこれ位置情報確認できるんだ」とイタズラっぽく笑う詩さん。




じゃああの時最後に見えた詩さんは本物だったんだ……




詩さんがあの人数を一人で相手したと考えると相当強いのだと改めて認識する。




おじいちゃんの所に行っていたんだから頷けるけど。




「まぁそんな事は置いといて、これからはもうこんな事にはならねーようにするから」




本当は私が守っている人に守られていたなんて衝撃の事実を知ったがまた私達は仲が深まったような気がした。




「はいっ」




私は詩さんがそう言ってくれるのが嬉しくてそう頷く。





「そういう意味じゃねーんだけど」




眉を下げ困ったように笑う詩さん。




私はその意味がわからなかったが、まぁいっかと思う事にした。




だって私達は今日"付き合う事"になったんだから。