「詩さん、私は詩さんに会う事は……っ」





詩さんの背中にそう呟く。





「どうして?」




いつもの優しい声でそう言ってくれる詩さんはやっぱりすごく優しい。




私はちゃんと詩さんに聞こえるように声を張る




「私は詩さんに守られていたんですよね?きっとすごく迷惑をかけてましたよね……?」





お兄ちゃんから聞かされた事実。





私がそう言った後少し沈黙があったため、事実なのだろうと確信する。




「もし、もしそうだとしても俺は迷惑なんて思ってなかった」




少しして口を開いた詩さん。





詩さんは私から離れ顔が見えるように座った後私の頭の上にぽんと手を乗せながら話してくれる。





「初めはどうして俺なんだって思ってたけど、今はお前がいない方が俺には迷惑なんだよ」





ニカっと爽やかに笑う詩さんは嘘を言っているようには見えなかった。




私がいない方が迷惑って事は私の事を護衛として必要としてくれているのだろうか。




そうだといいなと思い私もニコッと笑顔を作る。