はぁとため息混じりに息を吐くとそれと同時にドサリと何かが落ちる音がし視線を向ける。





「杏……っ」





詩さん……! 




そこにいたのは詩さんだった。





手に持っていた袋をその場に落とし驚いたように立ち尽くしている。





「詩さん……わっ」




久しぶりに詩さんの顔が拝めて頬が緩んでいるといきなり詩さんが私のところに飛び込んできた。





詩さん!?





急な事に驚き反応に遅れてしまう。





「良かった、本当に良かった……っ」




震える声で何度もそう呟く詩さんを見てどれほど心配してくれていたのかがひしひしと伝わってくる。




詩さん……今私は詩さんに会ってもいいのだろうか?





詩さんは私の事を守ってくれていてきっと迷惑ばかりかけていただろう。





だから私はもう詩さんと会うしかくはないんじゃないかと思って……