お兄ちゃんが戻ってきたのは少し時間が経った後。




「思ったとうりあいつが来たぞ」




戻ってきた時はいつものような冷静なお兄ちゃんに戻っていた。




髪が乱れたのを直しながら戻ってきたので外は風が吹いているんだろう。




「りょーかい」  




「お前ら準備しろー」




あの強そうな二人が指揮をとりどんどん男達が鉄パイプやナイフを準備しだす。




もしかして詩さんが来てくれたのかな……?




そんな期待を少し抱いたが男達の殺気立った空気に一瞬で押しつぶされた。




そんなわけないよね……





それより今は誰がきたのだろうか?




こんなにも戦闘体制をとっている男達を目の前にしても何もできない。




そんな自分が惨めで悔しくて下唇を噛む。




口の中に鉄の嫌な味が広がった。