あなたは守られる対象です!?

周りの人達がしらけたようにゾロゾロと散らばっていくのを感じながら私はただ地面を見つめる。




浮かんでくるのは詩さんの顔。




笑っている顔も無表情の詩さんも、あの屋敷に行ってからは色々な詩さんの顔を見る事ができた。




好きだとわかってこれからもっと一緒にいたいと思っていた矢先にこれだ。




守らなければいけないのに足を引っ張っている。




もういっそ私の事は切り離して欲しい。




そうして一生私の事を忘れて欲しい。




お願いだから、私の事は忘れてっ




私は心の中で叫ぶように言葉を紡ぐ。




だが、この声は誰にも届く事がなかった。