あなたは守られる対象です!?

「桜西の生徒は何人かあの表の道場に通っていたやつもいたんだよ」




表の道場とは、おじいちゃんは世間一般的には普通の道場を。裏ではソヒップとして使える人材を育てている。




表で良い成績を出し引き抜かれる事もある。私もそうだったから。




「その中の一人が、"黒金詩"お前の護衛対象だ」




詩さんがあの道場に通っていたの?




初めて会った時感じたものはきっと強者から出るオーラみたいなもの。




だから一般人ではないと思っていたがまさかおじいちゃんの道場に通っていたなんて。




「だからじじいと関わりが少しでもある所は片っ端から潰した。その時にお前を見つけたんだ。元々ソヒップに入ったと風の噂で知っていたからな」




きっと詩さんだけじゃない。あそこはお金持ちの人が通う学園だから護身術を身につけようとする人も少なくはない。




私はお兄ちゃんから衝撃の事実を知り呆然とするだけ。




ぽかんと開いた口はどれほど馬鹿そうに見えていただろうか。




お兄ちゃんの後ろにいる人達の視線も気になったが、今はそれどころじゃなかった。





「じゃあ今は状況の整理でもしてろ」




吐き捨てるようにそう言い放った後お兄ちゃんは腰を上げ元来たソファの隣の扉を開け姿を消した。




本当は私が詩さんを守っていたんじゃなくて私が守られていた……?




一度に色々な事が起きて理解に苦しむ。