あなたは守られる対象です!?

「杏を桜西で見た時は目を疑ったよ」




思い出すかのように話すお兄ちゃんは楽しそうに見えた。




もしかしてあの時私が感じた殺気はお兄ちゃんだったの?




じゃああの場にいたの?





あの不審者の中の一員なの?





ポンポンポンと頭の中に疑問が浮かび上がり収拾がつかない。




「ここにいるやつらは全員ソヒップのせいで人生を狂わされたやつらの集まりなんだ」




周りの人達を見回しながら紹介をするお兄ちゃん。





後ろにいる人達はソヒップという単語が聞こえてくると一瞬で殺気に満ちた空気になった。




「それと桜西は関係ないでしょ?」




ソヒップと桜西は交流があったわけでもないはず。だからそこが接触する事はないはずなのだが。




「関係ないわけないだろ?」




ピキッと眉間に血管を浮き上がらせながら怒りをあらわにする。




場の空気も一変しさっき以上に張り詰めた空気の糸が張り巡らされているようだった。




息をするのも苦しいくらいだ。