あなたは守られる対象です!?

「やっぱりソヒップに入ったってのは本当、か」




私の頬をかすめたナイフをソファから取り顔の横に近づけ不思議そうにしている。




辺りはシン……ッと静まり返っており、一瞬でお兄ちゃんがここのリーダーなのだと理解した。





どうしてお兄ちゃんは私がソヒップに入ったって事を知っているの……?




もう訳がわからずただただお兄ちゃんを凝視する事しかできない。




「杏はほんっと何も知らないみたいだな」




「えっ?」




何も知らないってどういう事?




お兄ちゃんはさっきから一度も崩さない笑顔のまま口を開く。





「守るべき対象に本当は"守られていた"なんて」





私はお兄ちゃんの言っている事が理解できず頭の中はハテナで埋め尽くされる。




「教えてやるよ、全部」




コホンッと二、三度咳払いをした後スンッと表情を殺し話を始めた。