「お待たせ致しました、私黒金家の詩様の専属執事をしております神白と申します」




ピンッと正された姿勢に後ろで手を組みにこやかな笑みを浮かべて出てきた執事さん。





うた様……?もしかしてここ黒金家の息子さんだろうか?




だからきっと私が護衛する人。




「よろしくお願い致します」




礼儀正しい神白さんに釣られ私も自然と自分が一番正しいと思う態度をとる。




九十度ピッタリのお辞儀をした後、顔を上げるとさっきよりもにっこりと笑う神白さんを捉えた。





「あっ失礼しました。ここまで礼儀正しくして頂いたお客様は初めてでして、これはきっと坊ちゃんも気にいると思います」




お坊ちゃん、もとい詩さんだろう。




まずは黒金家の執事さんと仲良くなれたようで良かった。




使用人の方と仲良くなれなかったらきっとここでの護衛はできないと思っていたから。