どうしたんだろ？




不思議に思いじっと目の前の詩さんを見つめていると急に立ち上がり私を引き寄せ抱きしめてくれていた。




「う、詩さん！？」




これはどういう状況！？




私はわけがわからずジタバタしてしまう。




「大丈……いやっよく頑張ったな」




「……っ」



大丈夫？と聞かれる事は何度もあった。周りの人は関係ないから仕方ないと思っていたけどなんだか表面上だけの言葉な気がしてちょっと傷ついていたりもした。




でもこれは絶対にわがままだから言わないようにって思っていたのに詩さんは＂頑張った＂って……




今、一番私が欲しかった言葉。




一番心に響く言葉。




その言葉を聞いた時私は嬉しさと感動が一気にブワァッと心の中に広がって涙腺が刺激された。




「泣きたきゃ泣けばいい。俺以外誰も見てないから」




「……っ」




詩さんはいつも私の欲しい言葉をくれる。




だから安心して私は涙を流す事ができた。