でも、これで良かったんだ。俺を嫌いになってくれたから。

きっと数ヵ月後には俺の事なんか忘れて、他の人と幸せに暮らしている。

そうなったときには、多分俺はもうこの世界に居ない。

大切な人を失った俺は、イルカのネックレスを握り締めたまま、ただ一人涙を零していた。

どうしようもないぐらいに辛くて、悲しかった。

心にぽっかり穴が空いてしまったような、光が消えてしまったような寂しさだった。

パズルの最後のたった一つのピースを、失ってしまったような。