ある日のことだった。

朝起きたら突然体調が悪くなって、病院に行ったら思いがけないことが起きた。

「診断結果は、癌です...」

医師にそう告げられ、俺は目を丸くして言葉を発せなかった。

現実を受け入れられなくて、ずっと困惑状態だった。

「進行が早く、治療が難しい段階です。余命は...」

余命?嫌だ。そんなの、聞きたくない。

俺は目をぎゅっと閉じて、耳を塞ごうとした。でも、手がズボンを握りしめたまま動かなかった。

「余命は残り、三ヶ月です」

三ヶ月。俺が死ぬまで、あと三ヶ月。

頭が真っ白で、困惑と驚きと恐怖が混ざっていた。

三ヶ月なんて、短すぎる。

まだまだやり残していることが沢山あるのに、俺にはたったの三ヶ月しか残っていないのか。

今まで当たり前だと思っていた日常は、当たり前じゃなかったんだ、と改めて思った。

心臓がバクバクいっていて、不安に襲われる。

それでも時はお構い無しに進んでいき、医師に次から次へと説明をされる。

心の整理が追いつかなくて、説明もあまり頭に入ってきていなかった。

唯一ちゃんと分かったことは、定期的に通院をすること、外出を控えること、無理をしないこと。

俺はぼんやりしたまま、帰る時間となった。

帰っている間も、ずっと癌や余命のことについて考えていた。

家に着き、布団に潜る。色々なことで疲れたせいか、俺はすぐに眠りについた。