道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

真っ先に尋ねなくてはならなかったのに。

ラヴィーネは申し訳ない気持ちでいっばいだった。

それに、後衛に下がっていてくださいと大口を叩いた自分が、ギルドマスターに助けられたという不甲斐なさに、罪悪感を感じた。

「心配ない、大丈夫ですよ。周りをよく観ながら進みますよ」

「はい」

ラヴィーネはギルドマスターと2人きり、他には誰もいないことを実感し、心細くなった。

いつものような勢いで思ったことを、直ぐ口にしてはいけないと、自分自身に言い聞かせた。

ギルドマスターに失態は見せたくないし、失言もしたくないと思った。

「どうしました。今日はやけに静かですね。わたしと2人だけでダンジョン調査は不安ですか」

「違います。そんなことはないです」

「わたしは不安です。もし、わたしの力不足で、あなたに何かあったらと思うと、できるならあなたと今すぐにでも引き返したい」