道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

ラヴィーネはギルドマスターと2人きりでと思うと、心細さよりもワクワクしていた。

ーーギルドマスター、この方とパーティーでダンジョン探索を幾度、夢見たことか

ラヴィーネはこんな機会はまたとないと思った。

「31階層ともなると、モンスターレベルも中級クラスです。油断しないでくださいよ」

「言われなくてもわかっています」

ラヴィーネは、こんな言い方はしたくないのに、何故もう少し言い方が……と思う。

素直になれない自分がイヤだった。

ーー自己嫌悪だわ、ホント。何故、素直にありがとうとか、気をつけますとか言えないのかしら

「ラヴィーネさん。わたしは昨日ムカつきましたけど、反面うれしかったですよ」

「・・・・・・」

カーーッと頭に血が上り、ラヴィーネの思考が停止した。

「隠居した冒険者は引っ込んでいて、そういう意味に取られてしまいましたけど本当は」