道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「現実です。受け止めるしかありませんよ。ラヴィーネさんがあの場に居なければ、我々は今ここに居ない」

「だからって、ギルマス。こいつの態度も言動も許せる範囲ではないだろ」

「許せる許せないの問題ではないんですよ」

ラヴィーネは彼らの会話を聞きながら、首を傾げた。

果たして自分は何を言いたかったのか、彼らがどう受け取ったのか?

胸がモヤモヤした。

「ずれていますわ。わたくしは他の冒険者が傷つこうが、やられようが知ったことではありませんわ。ギルマス、あなたが……」

ーーわたくし、何を言おうとしていますの?

ラヴィーネは慌てて口を押さえた。

ラヴィーネの頬は火照り、仄かに紅くなった。

「ギルマス、離してくださるかしら。とにかく、現役冒険者が前衛で闘うべきですわ」

ラヴィーネはスクッと立ち上がった。

「帰りますわ。続きは明後日ですわね。アイテムは補充しておきますわ」