道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

ギルドマスターはラヴィーネの瞳から目を離さず、落ち着き払っていた。

「意地悪ですわね。知っていたなら言っていただきたかった……夜中にダンジョンに潜って討伐しませんでしたのに」

「ラヴィーネさん！？」

「冒険者の討伐できなかった溺れをねらって討伐しているなどと噂されたこともあって、わたくし悔しかったんですのに」

ギルドマスターは死神という冒険者名には似つかわしくないラヴィーネの愚痴を聞き、心底申し訳ない気持ちになった。

「ラヴィーネさん。あなたが正体を知られたくなさそうにしていたので、つい……すみませんでした」

「何故、謝りになりますの？　わたくしは謝ってほしいわけではありませんわ」

ーーあー言えばこう言う、こう言うとあー言う。そう言うところ、嫌いではありません

キルドマスターは言葉を飲みこんだ。

「今日はあなたが居なければ、危なかった。Ｓ級魔法がまさか効かないとは」