詠唱が終わると同時に音もなく、風が吹いた。
暗がりにギラギラしていた幾つもの赤い光が、呻き声と共に散り散りになった。
緑色の液体が滴る肉片が壁に飛び散り、禍々しい気配が消えた。
冒険者たちは聞き覚えのある詠唱、凛とした声の響きとスキルの凄まじさに、ホッと胸を撫で下ろした。
「ギルマス!!」
冒険者たちは一斉に叫んだ。
「遅くなってすまなかった」
ギルドマスターは言いながら彼らの前に、黒衣を纏った髑髏の者を、冒険者の前に押し出した。
冒険者たちは突然のことにギョッとし、数歩あとずさった。
「し、死神ーー」
「そう、ギルド前で『死神』を待っていたんだ。参加申請は届いたのに、なかなか現れなくてね」
「ギルマス!? ずるいですよ。わたくしのせいにするなんて。貴方が武器と武具を用意するのに時間がかかったんじゃないですか。待っていたのはわたくしの方なんですけど」
暗がりにギラギラしていた幾つもの赤い光が、呻き声と共に散り散りになった。
緑色の液体が滴る肉片が壁に飛び散り、禍々しい気配が消えた。
冒険者たちは聞き覚えのある詠唱、凛とした声の響きとスキルの凄まじさに、ホッと胸を撫で下ろした。
「ギルマス!!」
冒険者たちは一斉に叫んだ。
「遅くなってすまなかった」
ギルドマスターは言いながら彼らの前に、黒衣を纏った髑髏の者を、冒険者の前に押し出した。
冒険者たちは突然のことにギョッとし、数歩あとずさった。
「し、死神ーー」
「そう、ギルド前で『死神』を待っていたんだ。参加申請は届いたのに、なかなか現れなくてね」
「ギルマス!? ずるいですよ。わたくしのせいにするなんて。貴方が武器と武具を用意するのに時間がかかったんじゃないですか。待っていたのはわたくしの方なんですけど」



