冒険者たちは、おずおずとにじるように後退りしたが、不気味な気配は後ろからも、じわりと感じた。
武器を持つ手がぶるぶる震え、スキル発動に頭が回らない。
見えない敵の気配に当てられ、声さえ出なかった。
暗がりに幾つもの赤い光がギラギラし、ゆっくりと近づいてくる。
冒険者たちのこめかみに冷や汗が滲んだ。
低く腹に響く唸り声と生温い息遣いが間近に迫った。
「うわあああーーっ、寄るなーー!!」
やっとの思いで叫んだ彼らの後ろから、澄んだ響きの詠唱が聞こえてきた。
『深淵より湧き上がる無限の風よ、我が前に立ちはだかるすべてを切り裂き……』
冒険者たちは、暗がりに漂う禍々しい気配を打ち払うような厳かで凛とした声に、声のする方を振り返った。
白銀の魔法陣がくっきりと浮かび上がっていた。
『断ち切る力を与えよ。風切断の魔法、ウィンドスラッシュ!』
武器を持つ手がぶるぶる震え、スキル発動に頭が回らない。
見えない敵の気配に当てられ、声さえ出なかった。
暗がりに幾つもの赤い光がギラギラし、ゆっくりと近づいてくる。
冒険者たちのこめかみに冷や汗が滲んだ。
低く腹に響く唸り声と生温い息遣いが間近に迫った。
「うわあああーーっ、寄るなーー!!」
やっとの思いで叫んだ彼らの後ろから、澄んだ響きの詠唱が聞こえてきた。
『深淵より湧き上がる無限の風よ、我が前に立ちはだかるすべてを切り裂き……』
冒険者たちは、暗がりに漂う禍々しい気配を打ち払うような厳かで凛とした声に、声のする方を振り返った。
白銀の魔法陣がくっきりと浮かび上がっていた。
『断ち切る力を与えよ。風切断の魔法、ウィンドスラッシュ!』



