道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「だったら、なんでギルマスは来ないんだ? 元S級冒険者だろ」

彼らは言い合いしながらも、次々とモンスターを倒し進んでいった。

HP回復スキルを使う女性冒険者は、パーティー冒険者のHPが半減すると、スキルで補った。

「前衛、後衛、回復をこなすオールラウンダーは、希少だ。なのに、早々と前線に出なくなった」

「行進の育成のためだろ。それに前ギルマスが高齢で交代」

「優秀な冒険者を早々と隠居させるのはもったいないぜ。ヨッと!」

モンスターを交わし、順調にダンジョンを進んでいく。

「特に不審な点はないようだがな」

不審な点はないと口にはする。

だが、冒険者たちは先へ進むにつれて不安と緊張が増していくのを感じ、互いの声や動きにも敏感になっていった。

地面を踏みしめるガサッという微かな音にさえも、ピクッと反応してしまうほどに、次第に神経が尖っていった。