道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

全員が壁際に1列に避けた刹那、通路いっぱいいっぱいに巨大な岩が転がってきた。

岩が1つ通過し終え、ホッっ胸を撫で下ろす。

「まだだ。また来る!」

その言葉通りに、岩は続けて冒険者の前を通過していく。

「油断するなよ」

「曳き殺すつもりかよ」

冒険者たちは次々と転がってくる大岩に、全身の震えを堪え、壁に背を擦り付けるように何とか踏ん張っていた。

ゴーーッという地響きが収まり、大岩が転がらなくなったのは、実際には数10秒だった。

だか、冒険者たちには10分とも20分とも思える時間だった。

冒険者たちはいっきに肝が冷えた気がした。

凍りついたように、ダンジョンの壁や天井、床に目を凝らし、より慎重に進んだ。

四方八方から恐怖か伝わってくるのを感じた。

普段、40階層辺りを討伐しているS級冒険者たちだったが、ここは15階層だ。

本当に15階層なのか。