道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

ラヴィーネは目を丸くした。

「ハア?」

思わず漏らし、ギルドマスターの居る方向に、顔を向けた。

「ラヴィーネさん。『死神』あなたもご存知ですよね?」

ギルドマスターの目力がやけに強い。

「ええ、まあ……」

「あなたからも『死神』に調査依頼、伝えていただけませんか」

ギルドマスターはラヴィーネから目を剃らさず、じっと見つめている。

ラヴィーネはギルドマスターの目力に吸い込まれるようで「承知いたしましたわ。お伝えしますわ」と根負けし、つい言ってしまった。

まさか、死神の正体を知っているのかしら?

ラヴィーネは胸の鼓動が速まるのを抑えられなかった。

「死神」の名を聞き、冒険者たちはいっきに沸き上がった。

「死神が参加するなら、鬼に金棒だな」


その言葉にギルドマスターが冷たく言い放った。

「油断していると刈られますよ」