道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

ラヴィーネが漏らした呟きを耳敏く聞き逃さなかった冒険者が、ラヴィーネに掴みかかった。

「何なんですの? 思ったことを言っただけですわ。S級冒険者が束になって調査しますのよ。負けると思っていますの?」

「アイテム供給を渋る奴に言われたくないな」

「アイテムがじゅうぶんなら、愚痴を言わずに調査しますの?」

「何だと!!」

ラヴィーネは冒険者に胸ぐらを捕まれたまま、数人の冒険者に囲まれた。

「離してくださらない!? 逃げはしませんわ」

ラヴィーネと冒険者がもめていると、ギルドマスターが冒険者たちを掻き分け、ラヴィーネと冒険者の間に割って入った。

「また、あなたですか。ラヴィーネさん」

ギルドマスターは呆れ声だったが、表情は穏やかだった。

「アイテムはギルドがじゅうぶん提供させていただきます。それと冒険者『死神』も召集予定です」