道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「まるで早口言葉、いや機関銃ですね。あなたは」

ギルドマスターがハア~と、大きなため息をついた。

「あなたの言い分は正論です。ですが……」

「ですがも何もありませんわ。感謝と謝罪は常識ですわ。例え、気持ちが欠片もなくても」

「めちゃくちゃですね。あなたのすることは」

ギルドマスターはフ~ッと長い深呼吸をした。

「でも、嫌いではありません。了解しました」

「よろしくお願いします。それから、侵入禁止区域を未だにウロウロしている冒険者、厳重に処罰していただきたいわ」

「あなたには敵いませんね」

ギルドマスターはアハハと声に出して笑った。

「笑っている場合かしら。ダンジョンの異変、本当に大丈夫ですの?」

「目は光らせていますよ。異変があった時には、ご協力お願いしますよ、ラヴィーネさん」

ギルドマスターは含み笑いをしながら、ギルドを出ていくラヴィーネを見送った。