ギルドマスターから、目ぼしい鑑定スキルを持った冒険者の知らせがないまま１週間が過ぎた。

ギルドでは異変のあった日の翌日から数日、１５階層までをＡ級冒険者と共に調査したが、特に異変は見つからなかった。

ギルドは異常無しと見なして探索を再開させたが、冒険者のアイテム購入量は、異変前の倍に増えた。

そのぶん、ギルドから道具屋への手当ては値上げしてもらえた。

が、仕入れや納品作業や受付は、連日目が回るような忙しさだ。

村長の様態は回復薬と治癒薬と毒消しで、何とか安定している。

菌類の毒をあれこれ分析し、毒消し効果を高めた薬をどうにかして作り出そうと、村人たちは知恵を絞っていた。

ラヴィーネたちはギルドマスターから、ボロボロの状態で、ダンジョンから帰ってきたＣ級冒険者たちが、起き上がれるまで回復したと聞いた。

彼らから村長への謝罪の言葉があったという話はない。