道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「あなたと云う人はーー本当に強がりですね」

ギルドマスターはクスッと笑って、弓矢の刃先を従業員に布で被わせ、ラヴィーネに手渡した。

ラヴィーネは強がって何処が悪いの? と思ったが、それを言うと、また何か言われそうで、口には出さなかった。

ギルド内にいる冒険者たちやギルドの従業員たちがラヴィーネの様子をしきりに、窺っている。

「早く出ていけ」と言わんばかりに。

ラヴィーネはその視線を感じながら、「わたくしは間違っていない」と、自分自身に言い聞かせた。

ギルドを出ると、目頭が熱くなった。

悔しさと悲しさで嗚咽が漏れそうになったが、懸命に堪えた。

100メートルほど先の道具屋まで、できる限り速く走った。

こんなにムシャクシャする日には、1番の気晴らしをしたかった。

だが、それも今夜はお預けだと思うと、どっと疲れを感じた。