道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「どうして？　侵入禁止区域に入りこんで毒矢を使用したの！　どうして住人に向けて矢を射てるの？」

ラヴィーネは今、攻めるべきではないと頭で解っていながらも、気持ちが収まらなかった。

自分よりも立場の弱い種族を蔑ろにする冒険者が堪らなく我慢ならなかった。

「ラヴィーネさん。彼らは怪我で憔悴していることですし、今日のところは」

ギルドマスターが何とかラヴィーネを宥め、落ちつかせようとする間も、ラヴィーネは冒険者をなじりつづけた。

「ラヴィーネさん、しっかりなさい。あなたは道具屋の管理者なんです。冒険者にとって居なくてはならない存在なんです。そのあなたが取り乱してどうしますか！」

ギルドマスターが丁寧ながらも、険しい口調でラヴィーネを叱りつけた。

「あなた方も今日のところはは治療が済んだら、しっかり養生してください。今日の報告は明日、ギルドから聞き取りに伺わせます」