道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

弓矢の先を見つめるラヴィーネの目が見開かれた。

弓矢の刃は、見たことのない色に光っていた。

濃い緑でもなく、濃い青でもない。

黒色とも違う色に光っている刃先は、道具屋で扱っているアイテムではない。

「あなた、この刃先の毒は何処で仕入れたの?」

ラヴィーネは思わず、冒険者の胸ぐらを掴み尋ねていた。

「ラヴィーネさん、乱暴なことはしないでください」

ギルドマスターが慌てて、ラヴィーネを冒険者から引き剥がした。

「それは……道具屋で……その……自分で……」

冒険者はラヴィーネから目を反らした。

辿々しく切れ切れに、明らかに言葉を濁している。

「あなたが!ーーあなただったの? 村長を射貫いたのは!!」

再び冒険者に掴みかかったラヴィーネをギルドマスターが羽交い締めにして、冒険者から引き離した。