道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

ガタッ

鈍い音と共に、ギルドの扉が開いた。

冒険者が3人、倒れこんできた。

顔はススで真っ黒で、何処に目があるのかもわからないほどだ。

装備はボロボロで薄汚れ、破れた布切れを纏っているようだ。

武器も刃こぼれと破損で見る影もない。

「大丈夫か? パーティー名は?」

ギルドマスターが倒れこんできた冒険者たちをマジマジと見つめた。

「ーーハックルベリー」

杖を持った冒険者が喘ぐような息づかいで、ぼそぼそと答えた。

「良かった。無事だったか」

ギルドマスターめ、ギルド内の冒険者めギルドの職員たちも安堵のため息を漏らした。

ギルドの職員たちが、倉庫から毛布を持ってきたり、ボロボロの冒険者たちに回復薬を飲ませたり、慌ただしく動く。

ラヴィーネも良かったとホッとひと息き、ふと冒険者の傍らにこぼれおちている弓矢を拾い上げた。

「……これは」