道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

だが、侵入禁止区域で住人に向けて射った冒険者。

それが煮えかえるほど、許せなかった。

故意でなかったにしても。

夕方、いつもより多めのアイテム納品を受取り、従業員と手分けし仕分けを済ませた。

倉庫と店の棚用と翌日の準備を済ませ、帳簿記入を済ませると、外はすっかり暗くなっていた。

ギルドに急いだラヴィーネだったが、ギルドの受付が終了している時間なのに、煌々と明かりがついていた。

ーー何かあったのかしら

ラヴィーネは首を傾げながら、ギルドの扉を開けた。

10数人の冒険者が受付の順番を待ちながら話していた。

「ラヴィーネさん。少し立て込んでいまして」

受付を手伝っていたギルドマスターが、ラヴィーネに気づいて駆け寄った。

「何かあったんですか」

「実はダンジョン内で異変があったようで、その報告を聞いていたところです」