道具屋の看板娘、冒険者名は『死神』です。アイテム過剰購入冒険者にムカつきますが、ギルマスにはイヤな奴だと思われたくありません

「まあ……言いたいことは、だいたい解ります」

「急がないと……急がないと村長が衰弱して……」

ラヴィーネは冷静に話したいと思うのに、冷静になれなかった。

普段、アイテム過剰購入冒険者のことで、散々に愚痴をぶつけ、抗論している相手だ。

ラヴィーネより10才以上年上の男性で、普段はラヴィーネが上手く丸めこまれ、宥められている。

「人手を増やして確認したいのはやまやまですが、個人情報ですからね。私もできるだけ頑張ってみますよ。目ぼしい鑑定スキルの方も思い出してみます」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。さっそく、今日の納品が終わったら、伺います」

「了解しました」

ラヴィーネはギルドマスターが話の通じる人で良かったと思った。

ラヴィーネは年の功だけあるなと思い直した。

自分が難題を持ち込んでいるのは重々、承知している。