もうすぐ３０歳ですが、なにか？

こんなお泊まり、初めてかも。

部屋に着いたらシャワーを浴びて、テーブルにお菓子や飲み物を並べてみる。
ルームサービスも届き、ちょっとしたパーティーだ。
紗依ちゃんは何も聞かないでいてくれた。
ただ、｢これ美味しいよ｣とか、私のことには触れないで話している。

せっかく来てくれたのに話さないと。
いや、聞いて欲しい。
落ち着いて一つずつ話していった。

学会に行って、告白されたこと。
多岐川先生は匠君の後輩で、歳はかなり離れているけど気にならないし、嬉しかった。
でもその帰り、家まで送ってもらったんだけど、美人の女の人が現れて一緒に帰って行ってしまったの。
それを誰かが見ていて病院で噂になって、後でちゃんと話すからって言われて…、気にするなと言われたんだけど…。
紗依ちゃんは、口を挟まないで聞いてくれた。