カナ爺はチッと舌打ちし、しぶしぶ着いていく。

私と秀は顔を見合わせ、慌てて歩き出した。

カナ爺に追いつき、耳に口を近づけて小さな声で言う。


「ちょっと、親切にしてくれてるのにそんな言い方はないんじゃない?

そんなにあのおじいちゃんのこと嫌いなの?」


「嫌いではない。

気に食わんだけじゃ」


同じじゃないか。

なんにせよ、カナ爺がこんなに感情をむき出しにするのは珍しい。