「鬼の子って……あの角生えてる?

虎のパンツ履いてる鬼の子供ってこと?」


「その鬼のことを指すこともあるがの。

この子は……まあ異種属交配で生まれた子供ということじゃ。

ちなみに最近の鬼は虎のパンツは履いておらんぞ」


カナ爺にそう言われて改めて赤ん坊を見る。


「へぇ……。

ってなんで鬼の子ってわかったの?」


「異形の生き物じゃからじゃ。

鬼の子は、生まれた時は父にも母にも似ておらん。

この森にこの子に似た生き物はおらんからの」


「なるほどね……。

じゃあ親は誰かわかんないんだ」


赤ん坊の頬をちょいちょいとつつくと、「あー」とかなんとか言いながら目をキョロキョロさせる。

見慣れれば意外と可愛いかもしれない。